『 良い家に住みたい 』家づくりを考える人なら誰でも思う願いです。 私も同じように『 良い家を造りたい 』という強い気持ちで家づくりに携わってきました。 そこで、大工職人として長年の経験から得た 私の家づくり に対するこだわりをお話します。
先日家族で遠出した時、近くに住宅展示場があり見学してみる事にしました。 どんな間取りか? 色彩はどうなのか? デザインは? 使用材は? 注目して見ていますと 和室の柱・廻り縁・造作材、全て木の色に似せたプラスティク材! これでも和室か。。 何でも有りなんだな。。 大工育ちの私には想像を絶するものでした。 もう他の部屋は見なくてもいいなと思い一階にいると、二階の足音・話声がよく聞こえること! この家は、一階の天井を二階の床材から釣っている、二階の揺れや物音が太鼓のように 直接一階の天井に響いているのが最大の原因だろうとすぐに察しが付きました。
師匠から教わった『 櫛型(くしがた)』これは天井に使う材料です。 上の絵を見ていただいたら分かるように、天井釣り木の一種で、釣り木を昔の櫛の様に曲げた 形に加工して天井を独自に反らせる工法で、古民家の竿天井によくみられます。
この工法は一階の天井を二階の床材から釣らない為、二階の揺れや足音・話声が聞こえにくく なる利点があります。
『 自然素材で永く住める家造り 』をモットーに家づくりをしている当社では、少しでも快適な 住環境をと考え、一階の天井釣りは櫛型工法を標準仕様にし、目には見えない部分も『 良い家 』 であるように取り組んでいます。
尾上 義則 |