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梁偏

  
hari
  
  
           『 良い家に住みたい 』家づくりを考える人なら誰でも思う願いです。
           私も同じように『 良い家を造りたい 』という強い気持ちで家づくりに携わってきました。
           そこで、大工職人として長年の経験から得た 私の家づくり に対するこだわりをお話します。
  
           昨今、およそ80%近くの木造建築は *プレカット工法 で刻まれており、大工職人が墨付をして
           家を建てているのはわずかです。
           安価・工期短縮を考えるとプレカット工法が選ばれるのは決して悪いことでは無いのですが…
  
           師匠から教わった ≪ 木の 背 と 腹 ≫
           木は日当たりの良い側は枝葉が良く茂り、幹はいくらか膨らんだ形状になります。
           枝葉がよく茂った方が「背」でそうでない方が「腹」となり、傾斜地に育った木は谷側が「背」で
           尾根側は「腹」にります。曲がった木の凸側が「背」です。
           木は製材をし、材木になっても「背」側に反りが出ます。
  
           この性質をふまえ、小屋梁(上写真)は、「背」を上側に「腹」を下側に使い、家の荷重を支え、
           垂れ木にならないよう1本1本吟味しながら墨付けをします。
           一方床組みは「背」と「腹」を逆に使い、床の持ち上げを防いで床鳴りを防ぎます。
           小屋梁や床組みをちぐはぐに使うと、戸が開かなくなったり、2階の床や屋根が凸凹になったり
           します。
           「 背に腹はかえられない 」とは、ここからきたのかもしれません。
           一流の大工職人は、そこまで考えて墨付けをしています。
           先にも述べましたがプレカット工法は、木の癖、木の使い方を考えていないのが現状です。
  
           だからこそ、『 自然素材で永く住める家造り 』をモットーに家づくりをしている当社では、
           木の癖、木の良さを熟知した大工職人が墨付けをし、刻みまでもを手がけ、主要構造部の
           目には見えない部分も『 良い家 』であるように取り組んでいます。
  
           * プレカット加工:木造骨組みの仕口(接合部)を工場で機械加工し、現場敷地で組み上げる工法。

                                                                 尾上 義則
  

 

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