『 良い家に住みたい 』家づくりを考える人なら誰でも思う願いです。 私も同じように『 良い家をつくりたい 』という強い気持ちで家づくりに携わってきました。 そこで、大工職人として長年の経験から得た 私の家づくり に対するこだわりをお話します。
『 手刻み 』にこだわる。それは、“ 木を知り、くせを知る ” ことの大切さにあり、家の構造材 を例に挙げるとよく分かります。
≪ 柱 ≫ 柱は長い *ホゾ(凸部分)を切り出し、それを *横架材 に差し込んで、横架材からそのホゾに *込み栓 を打って止める 長ほぞコミ栓打ち としています。 長ほぞコミ栓打ちにすることにより家の耐震力が増し、又、ホゾが長いことによりネジレ防止 にも効果があります。
* ホゾ:木材を接合するための突起 横架材:水平に架けわたされる部材を言い、桁や梁がこれにあたる 込み栓:柱と横架材 や横架材同士の接合に使用する木の栓
≪ 土台・大引・根太(1階・床構造材) ≫ 一階の床構造材は *ダレ木 に使い、水平を保つには床束や *アンカーボルト 等で調整します。 これを反対に使うと、建具がつまったり、床がデコボコになります。
* ダレ木:下側に反る木 アンカーボルト:あらかじめ基礎の中に、ねじ部以外の部分を埋め込んだボルトで 土台を固定します。
≪ 梁・胴差し(2階・床構造材) ≫ 梁・胴差しは、柱だけの支持の為、2階床では *むくり木 に使います。これを反対に又は交互に使うと、 家具を置いただけで水平が保たれなくなり、床がデコボコになります。
* むくり木:上側に反る木
≪ 軒桁・小屋梁・丸物材(小屋構造材)≫ 軒桁・小屋梁・丸物材は、*むくり木に使います。反りを利用し、瓦・雪等の荷重はね返し家を長持ち させます。 |